制度の改正により、現在は小学生・中学生であっても「留学」の在留資格で日本の学校に通うことができます。しかし、年少の留学生の受け入れは通常の留学とは審査の観点が異なり、学校側の準備がそのまま許可の見通しを左右します。全寮制のインターナショナルスクールやボーディングスクールなど、義務教育年齢の留学生の受け入れを検討している学校のご担当者に向けて、ポイントをまとめました。

通常の留学と何が違うのか

16歳未満、とりわけ義務教育年齢の子どもの留学では、勉学の環境だけでなく「誰がこの子の日常生活を守るのか」が重点的に審査されます。具体的には次のような観点です。

  • 日本国内で本人を監護する体制があるか(保護者が同居するのか、学校が生活指導を担うのか)
  • 住居(寮)の環境と、生活指導にあたる職員の体制
  • 病気やけがの際の医療対応・緊急時の連絡体制
  • 本国の保護者との連絡体制と、保護者の同意

全寮制の学校であれば、寮における生活指導・監護の体制を具体的な資料で示せるかどうかが鍵になります。

学校側が整えておきたいもの

一般論として、次のような準備をおすすめしています。

  1. 寮の運営体制の文書化——寮監・生活指導員の配置(夜間を含む)、部屋割り、生活ルール
  2. 緊急時対応のフロー——提携医療機関、保護者への連絡手順、災害時の対応
  3. 保護者との取り決め——監護の委託についての同意書、学費・生活費の負担者の明確化
  4. 経費支弁の裏付け——学費・寮費・生活費を誰がどのように負担するかを示す資料
  5. 学籍・教育課程の説明資料——カリキュラム、在籍管理の方法

これらは在留資格認定証明書(COE)の申請書類としてそのまま活きるだけでなく、開校準備や運営監査の観点でも学校の財産になります。

手続きの流れ

  1. 学校が受け入れ態勢を整備し、必要書類を準備する
  2. 在留資格認定証明書交付申請(COE)を出入国在留管理局に行う
  3. 交付されたCOEを本国の保護者へ送付し、現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を取得
  4. 来日・入学

なお、16歳未満の方の在留手続は法定代理人(保護者等)が行うことになるため、海外の保護者とのやり取りを含めた段取りが通常の留学より複雑になります。申請取次行政書士に依頼すれば、原則としてご本人や学校職員の方が入管に出向く必要はありません。

まとめ

  • 16歳未満の留学は「生活の監護体制」が審査の中心になる
  • 全寮制の学校は、寮の生活指導体制を文書で具体的に示せるように準備する
  • 受け入れ態勢の整備は、初めて留学生を受け入れる学校ほど早めの着手が安心

当事務所では、学校の受け入れ態勢づくりの段階からのご相談も承ります。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に関する法的助言ではありません。具体的なお手続きについては、お問い合わせフォームよりご相談ください。