「社員の在留カードの期限が昨日で切れているのですが、働かせて大丈夫でしょうか?」——人事のご担当者からよくいただくご質問です。答えは、「期限内に更新申請をしていれば大丈夫。していなければ大問題」。この分かれ目になるのが「特例期間」の制度です。

特例期間とは

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を在留期限内に行った場合、審査の結果が出る前に期限が来てしまっても、

  1. その申請に対する処分(許可・不許可)が出る時
  2. 在留期限から2か月を経過する日

いずれか早い時まで、引き続き適法に在留できます(出入国管理及び難民認定法第20条第6項、第21条第4項)。これが特例期間です。年度末など入管が混み合う時期は審査が期限までに終わらないことも珍しくなく、この制度があるおかげで、申請者は安心して結果を待つことができます。

なお、更新申請自体は在留期限の3か月前から受け付けられます。特例期間はあくまで安全弁ですので、余裕をもって申請するのが基本です。

特例期間中は「今までどおり」でよい

特例期間中は、従前の在留資格のまま活動を続けられます。就労資格の方であれば、そのまま働き続けることができます。

雇用側の確認方法はシンプルです。在留カードの期限が過ぎていても、カード裏面に「在留期間更新許可申請中」等の記載があれば、特例期間中であることが分かります。採用中の社員の期限が近づいたら、「申請済みか」「カード裏面に記載があるか」の2点を確認する運用にしておくと安心です。

3つの注意点

  1. 期限内の申請が絶対条件——期限を1日でも過ぎてからの申請には特例期間はなく、不法残留となります。「申請するつもりだった」は通用しません。
  2. 在留期間が30日以下の方には適用されません——短い在留期間を決定されている場合は対象外です。
  3. 永住許可申請には特例期間がありません——永住申請は法律上別の申請のため、申請中でも現在の在留資格の期限管理が必要です(詳しくはこちらの記事をご覧ください)。

「2か月」を過ぎそうなときは

特例期間の上限は在留期限から2か月です。通常はこの間に処分が出ますが、追加資料の準備に時間がかかっているような場合は、対応を急ぐ必要があります。審査の状況に不安があるときは、早めに申請取次行政書士や入管にご確認ください。

まとめ

  • 期限内に更新・変更申請をしていれば、処分まで(最長で期限から2か月)適法に在留・就労できる
  • 雇用側は「在留カード裏面の申請中の記載」で確認できる
  • 期限後の申請に特例はない。30日以下の在留期間・永住許可申請も対象外

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に関する法的助言ではありません。具体的なお手続きについては、お問い合わせフォームよりご相談ください。