留学生を新卒採用した場合、入社までに在留資格を「留学」から「技術・人文知識・国際業務」などの就労資格へ変更する必要があります。この変更申請は、内定を出せば自動的に通るものではありません。「その学生の学歴」と「任せる仕事の内容」の組み合わせが審査の中心になるため、採用の段階から意識しておくことが大切です。
スケジュール感——年内に準備、年明けに申請
翌年4月入社の場合、例年、卒業前年の12月頃から変更申請の受付が始まります。年度末の入管は大変混み合い、審査にも時間がかかるため、内定後は早めに書類の準備に入り、受付開始とともに申請するのが理想的な流れです。書類の準備には、会社側の資料(登記事項証明書や決算文書など)も必要になるため、人事部門だけでなく総務・経理との連携も早めにお願いしています。
学歴によって「関連性」の見られ方が違う
「技術・人文知識・国際業務」の審査では、大学等で学んだ内容と職務内容との関連性が問われますが、その厳格さは学歴の種類によって異なります。
- 大学卒(学士)以上——履修内容と職務の関連性は比較的柔軟に判断されます
- 高度専門士(4年制専門学校の修了者)——学士ほどではないものの、一定の関連性が求められます
- 専門士(2年制等の専門学校の修了者)——履修内容と職務内容との厳格な関連性が求められます
つまり、同じ「専門学校卒」でも、専門士の方を履修内容と離れた職種で採用しようとすると、審査のハードルは相当高くなります。内定を出す前に、成績証明書ベースで履修内容と職務の対応関係を確認しておくと、後の手戻りを防げます。
審査で確認される主なポイント
変更申請の際、概ね次のような観点が確認されます。
- 従事する業務に、学術的な知識を要する専門性があるか(単純な作業のみの業務は認められません)
- 履修内容と業務の関連性(上記のとおり学歴により厳格さが変わります)
- その会社に、その業務を任せるだけの業務量・必要性が実際にあるか(事業規模に見合わない人数の申請は慎重に審査されます)
- 入社後の研修期間の扱い——現場実習がある場合、日本人社員にも同様に行われる研修かどうか
- 報酬が日本人と同等以上か
とくに3.と4.は、会社側の説明資料が結果を左右する部分です。「なぜこの業務にこの人材が必要なのか」を事業の実態に即して示せるかどうかが、申請の質を決めます。
技人国が難しいときの選択肢
職務内容に現場業務が多く含まれるなど、「技術・人文知識・国際業務」での立証が難しい場合でも、日本の大学等を卒業し高い日本語能力を持つ方であれば「特定活動46号」という選択肢があります(詳しくは別の記事で解説します)。どの在留資格で申請するかの見立ては、採用計画の段階でご相談いただくのが安全です。
まとめ
- 留学生の新卒採用は「学歴×職務内容」の組み合わせで決まる。内定前の確認が肝心
- 専門士は履修内容との厳格な関連性が必要。学士・高度専門士とは審査の見られ方が違う
- 会社側の「業務の必要性」の説明が申請の質を左右する
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に関する法的助言ではありません。在留資格の要件・運用は変更されることがあるため、最新の情報は出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。具体的なお手続きについては、お問い合わせフォームよりご相談ください。