在留期間の更新を「手続きをすれば通る、免許の更新のようなもの」と考えている方は少なくありません。しかし法律上、在留資格の変更と在留期間の更新は、法務大臣が「適当と認めるに足りる相当の理由」があるときに限り許可される裁量判断です。出入国在留管理庁は、その判断で考慮する事項をガイドラインとして公表しており、2026年(令和8年)6月にも改正されています。日頃の暮らし方・働き方がそのまま審査材料になる、という視点で読んでみてください。

ガイドラインが挙げる8つの考慮事項

  1. 在留資格該当性——行おうとする活動がその在留資格に当てはまること。これは考慮要素ではなく必須の要件です。
  2. 上陸許可基準への適合——就労系などの在留資格では、変更・更新でも原則として基準(学歴・報酬要件など)を満たしていることが求められます。
  3. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと——例えば、除籍・退学後もそのまま在留を続けていた留学生などは、正当な理由がない限りマイナス評価です。長期間にわたる再入国許可による出国も、正当な理由がなければ消極的な要素とされます。
  4. 素行が不良でないこと——刑事処分を受けた行為などがあれば、初犯でも素行不良と判断されることがあります。
  5. 独立した生計を営めること——世帯単位で見て、安定した生活が見込まれること。
  6. 雇用・労働条件が適正であること——アルバイトを含め、労働関係法規に適合していることが必要です(違反が雇用主側の問題である場合は、本人に責任がない点が考慮されます)。
  7. 納税義務等を履行していること——税金の高額・長期の未納は消極的要素です。国民健康保険料など法令上の納付義務も同様に扱われます。今回の改正では、入管が関係機関から納税状況等の情報提供を受けて許否判断を行う場合があることが明記されました。「バレなければ」は通用しない仕組みになっています。
  8. 入管法上の届出義務を履行していること——住居地や所属機関等に関する届出、在留カードの各種手続きなど。転職時の届出(14日以内)を忘れていた、といったことも更新時に響きます。

実務での受け止め方

このガイドラインから言えるのは、更新の準備は「申請の3か月前」ではなく「日々の暮らしの中」で始まっているということです。

  • 税金・国民健康保険料・年金を期限内に納める(未納だけでなく「遅れ」も記録に残ります)
  • 転職・引っ越しなどの届出は14日以内に確実に行う
  • 学生は在籍と出席を維持する。長期の帰国・海外滞在には説明できる理由を持つ

企業のご担当者にとっても、外国人社員の労働条件が適正であること(第6項)は会社側の責任範囲です。雇用管理そのものが、社員の在留の安定につながっています。

なお、窓口では健康保険の資格確認(マイナポータルの資格情報画面や資格確認書の提示)を求められますが、提示できないこと自体を理由に不許可とされることはありません。

まとめ

  • 変更・更新は裁量判断。「出せば通る」手続きではない
  • 納税・保険料・届出義務など、日常の履行状況が審査材料になる
  • 2026年6月の改正で、関係機関からの納税情報等の連携が明記された
  • 更新の備えは日々の生活・雇用管理から

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に関する法的助言ではありません。ガイドラインの全文は出入国在留管理庁のウェブサイトでご確認ください。具体的なお手続きについては、お問い合わせフォームよりご相談ください。