永住許可申請は審査に長い時間がかかることで知られています。そのため、「申請中に今の在留期限が来てしまう」という状況は珍しくありません。このとき、「申請中だから大丈夫」と思い込んで更新を忘れると、取り返しのつかないことになりかねません。今回はこの点を法律の仕組みから解説します。

「特例期間」とは

在留期間更新許可申請や在留資格変更許可申請を在留期限内に行った場合、審査結果が出る前に期限が来てしまっても、処分が出る時か、期限から2か月を経過する日のいずれか早い時までは、引き続き適法に在留できます(出入国管理及び難民認定法第20条第6項、第21条第4項)。これがいわゆる「特例期間」です。

更新申請が期限ぎりぎりになっても直ちに不法残留とならないのは、この規定のおかげです。

永住許可申請には特例期間がない

ここからが本題です。永住許可申請は、在留資格変更の一種のように見えますが、法律上は第22条に基づく別の申請であり、第20条第6項の特例期間の規定は適用されません。

つまり、永住許可申請を出していても、今持っている在留資格の期限は普段どおり進行します。申請中に在留期限が近づいてきたら、これまでどおり在留期間更新許可申請(または必要に応じて変更申請)を行わなければなりません。これを怠ると、永住の審査中であるにもかかわらず在留の根拠を失ってしまいます。

実務での注意点

  • 永住許可申請をしたら、現在の在留資格の期限管理は従来どおり続ける
  • 期限の3か月前になったら、審査中でも在留期間更新許可申請を行う
  • 更新の結果(新しい在留期間)は永住の審査にも影響し得るため、更新申請の内容もこれまでと同じ水準で丁寧に準備する

永住は「これで更新から解放される」ための申請ですが、皮肉なことに、申請してから許可されるまでの間こそ期限管理がいちばん大事になります。

許可された後も——在留カードの有効期間にご注意

もうひとつ、見落としやすい点があります。永住が許可されると在留期間の期限はなくなりますが、在留カードそのものには有効期間があります(16歳以上の方は交付から7年。16歳未満の方は16歳の誕生日まで)。

有効期間が満了する前に、在留カードの有効期間更新の申請が必要です。「永住になったからもう入管に行くことはない」と思い込んでいると、カードの期限をうっかり過ぎてしまいがちです。在留カードの携帯・提示は法律上の義務ですので、期限切れのカードのままにしておくことはできません。永住許可を受けたら、カードの有効期間満了日をカレンダーに登録しておくことをおすすめします。

まとめ

  • 更新・変更申請には特例期間(期限後も最長2か月)があるが、永住許可申請にはない
  • 永住の審査中も在留期限は進む。期限が来る前に更新申請を
  • 永住許可後も在留カードには有効期間(7年等)がある。カードの更新を忘れずに
  • 永住申請と期限管理はセットで計画する

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の案件に関する法的助言ではありません。具体的なお手続きについては、お問い合わせフォームよりご相談ください。